萩原麻里著『呪殺島の殺人』を読みました。
孤島で起こる殺人事件。クローズドサークルのミステリ。
面白かったです!
書籍情報
『呪殺島の殺人』(じゅさつじまのさつじん)
著者:萩原麻里
出版:新潮社(新潮文庫nex)
発行年:2020年
ISBN:978-4-10-180192-6
『呪殺島の殺人』読書メモ ※ネタバレ注意
<登場人物メモ>
秋津真白(あきつ・ましろ) 古陶里の幼馴染。赤江島の領主一族の生き残り。
三嶋古陶里(みしま・ことり) 真白の幼馴染。日本の呪術を調査している。
赤江神楽(あかえ・かぐら) ベストセラー作家。赤江島の領主一族の生き残り。真白の伯母。
大島紅玉(おおしま・こうぎょく) 綺麗なお姉さん。白珠、紫宝の姉。
大島白珠(おおしま・はくじゅ) 和風美女。右目に泣きボクロ。紅玉の妹。紫宝の姉。
大島紫宝(おおしま・しほう) 制服姿の少年。紅玉、白珠の弟。
新政太一(あらまさ・たいち) 記者。
桃川(ももかわ) 赤江島の警官。紅玉と同級生。
久保田(くぼた) 神楽の担当編集者。
笹一(ささいち) 神楽の顧問弁護士。
<読書メモ>
「呪殺島」→正式名称「赤江島」 島流し先。
現在は呪術を執り行ってきた一族の末裔が二人と他の住人が住んでいるのみ。
そのうちの一人であるベストセラー作家、赤江神楽。
誰かへ向けた神楽からの手紙。「彼」とは?
赤江神楽の死。手にはナイフ。「僕」が犯人? 記憶喪失で何も思い出せない。
【神楽】20:10~20:17 殺された
【新政】18:00の夕食後~ 応接室で笹一弁護士と話していた
【笹一】新政と共にいた
【紅玉・白珠・紫宝】三人で部屋にいた 20:00過ぎに紅玉は応接室へ
【久保田】部屋にいた 神楽からの電話を受けた
【古陶里】20:00ごろまで真白と部屋にいた
【真白】20:00ごろ「神楽に用がある」と部屋を出て行った
新政、紅玉、真白、古陶里で橋の確認へ。警察官の桃川が死んでいるのを発見する。
笹一「あなたは一体、誰なのですか」
笹一死亡、新政が行方不明に。
久保田→数ある呪殺島の中の一血族の末裔
キッチンからアラーム音。倉庫の棚から異臭。→新政が収納されていた。
新政の持ち物から、桃川のスマホ、何かのSDカード。(監視カメラの映像)
映像には、神楽が怪我をしている→真白の頭を置物で殴る→二人が倒れ込んだところが収められていた。
真白と古陶里が隔離。真白を守るための選択。
記憶が戻れば犯人になって脅威となることから、口封じのために殺されてしまうかもしれない。
<消えているもの>
・赤江神楽の遺言書
・監視カメラのSDカード
・桃川警官の拳銃の弾
・新政氏のメモ
ドアの下から差し入れられたメモ「正午、誰にも言わずに神楽おばさまの部屋に来て」紅玉からの招待状。
神楽の部屋へ行くと倒れている紅玉。そばには新政の手帳。
手帳から分かったのは、新政が真白を脅迫していたこと。
<手帳のメモ>
「方法を間違えた。秋津真白は遺産を相続できない」「秋津真白が死んだ」
すべてを思い出した僕。
僕「この、大噓つきめ」
古陶里「やっと思い出したのか、この間抜けめ」
僕=秋津真白ではない! 古陶里と真白と同じ養護施設で育った幼馴染。
僕と古陶里が島に来た目的→真白の脅迫者を捕まえようとした
事件の日に神楽の部屋に行ったのは「本物の真白が死んだこと、彼を脅迫していた人間がいること」を伝えるため。
真犯人=紫宝
神楽の手紙の「彼」は真白と、もう一人の男性の親族(=紫宝)
紫宝は赤江神楽の実子。大島家に養子に出された。
息子を死の呪いから守るため、実子であると認めなかった神楽。
笹一を殺したのは新政。新政を殺したのは白珠。
新政が神楽の遺言書の写真データをカードに入れてそれを飲み込んだため、切り裂いて取り出した。
紫宝と白珠が逮捕された後、二人を乗せた船が不可解な事故を起こして二人とも死亡。
『呪殺島の殺人』感想 ※ネタバレ注意
孤島で起こる殺人事件。クローズドサークルもののミステリ。
嵐で身動きがとれない、連絡手段もない、そして橋が落とされるというのは鉄板ですね。
作家の赤江神楽の死。その時そばにいたのは、手にナイフを持ち、記憶喪失になってしまった主人公。
一体誰を信じたらいいのか分からないままストーリーが進んでいきます。
とりあえず古陶里だけは信じてました。主人公が犯人パターンも考えつつ。
途中まで読んで、犯人はなんとなくこの人かな? と思っていたら当たったー!理由までは分からなかったけど。
主人公の記憶が戻ってから序章を読み返すと、やられたなと思う。三人いたのね。
叙述トリックはどうも見破れない。くっそーw
初読み作家さんでしたがなかなか良かったです。
またこういうミステリ作品が出たら読んでみたい!