マンガ『恋する寄生虫』感想

三秋縋さん原作の『恋する寄生虫』、コミカライズはホタテユウキさんが作画をされています。

今年(2021年)、映画が公開されるみたいなのでこちらも楽しみ!
原作はまだ未読の状態なので、どこかのタイミングで読みたいなと思っています。

『恋する寄生虫』あらすじ

これは、「虫」によってもたらされた、臆病者たちの恋の物語。
何から何までまともではなくて、しかし、紛れもなくそれは恋だった。

「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。

恋する寄生虫 三秋 縋:文庫 | KADOKAWA

『恋する寄生虫』感想

登場人物は主に三人。

潔癖症の青年、高坂賢吾(こうさかけんご)
金髪・タバコ・ヘッドホンをした少女、佐薙ひじり(さなぎひじり)
謎のおじさん、和泉(いずみ)

コミック一巻の最初の方、手洗いしたりアルコール消毒したりしてる高坂を見て、「あぁ、今コロナだもんなぁ。消毒大事よね」と思ったんですが、このコミック発売したの2018年とかでした。
この一年で手洗いやらアルコール消毒やらがすっかり日常化しているためか、高坂が潔癖症というのがあまりピンとこなかった、というのが読み始めの感想です(;’∀’)w

そんな高坂の元へ突然現れた謎のおじさん、和泉
家に押し掛けてきて、何が何だか分からないまま、佐薙ひじりと友達になれ、と言われます。

出会ったときのひじりは、金髪で、タバコを吸っていて、ヘッドホンをした少女でした。
どれか一つの要素だけでも成り立ちそうなキャラなのに、三つも盛り込まれてるという。
なかなかのキャラクター性。

高坂ひじりはだんだんと仲良くなっていき、ひじりの不登校の理由が視線恐怖症であることを知ったりする中で、和泉に釘を刺されます。「一線を越えるな」と。
とはいえ二人はお互いに満ち足りた時間を過ごしていくのですが、一巻のラストで和泉から衝撃の事実が告げられました。

高坂の頭の中に<虫>がいる、と。

まぁタイトルに「寄生虫」とあるくらいですし、作品の中でも寄生虫についていろいろと触れていましたし。
二巻では、その虫によって高坂ひじりが惹かれ合っているのだということが判明します。
虫による「操り人形の恋」というわけですね。

つまり、虫を駆除してしまったら、この恋愛感情も消えてしまう、という。なんてこった。
虫と共存すればいいのでは? と思ったけど、これまでの症例から考えるとそれはちょっと難しそうで。
いろんな葛藤がありつつも、二人は駆虫の治療を受けることに。

ひじりのセリフである「私たちは<虫>なんかに頼らなくても愛し合うことができたんだ」が何ともまぁ切ない。

結局、ハッピーエンドとは言い難かったんですが。やっぱり三秋さん。メリーバッドエンド。
三秋さんの作品は『三日間の幸福』『君の話』を読んでいますが、どの作品も「二人だけの世界」の話だなぁと感じます。
最初から最後までただただ二人が共にいようとする、そんなお話。ある意味ではハッピーエンド。

この『恋する寄生虫』ですが、これに似ている・・・というか、虫によって恋をする? という小説を以前読んだことがあって、それが彩瀬まるさんの『くちなし』に収録されている「花虫」というものなんですが。
その「花虫」は、運命の相手の身体に自分にだけ見える花が咲く、というもので。
テイストは全く違ったと思うんですが、ふと思い出して、ちょっと読み返したくなってきましたw
手元にないので文庫本を買ってもいいかも・・・。

その前に、この『恋する寄生虫』の小説を読むべきかなw
年内には読みたいところ・・・! 映画も気になります(*’ω’*)

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